2025年05月02日
Q:父が逝去した後、父の遺言書らしき封筒を見つけました。開封はまだしておりませんが、何に気を付けたらいいのか行政書士の先生にお聞きしたいです。(沖縄)
はじめまして。私は50代の主婦ですが、先日沖縄に住む80代の母を亡くしました。兄弟と一緒に沖縄の実家を片付けていたところ、遺品の中から手書きの遺言書と思われる封筒を姉が発見しました。封がしてあったのですが、姉がハサミを入れて開封しようとしたので慌てて止めました。その場にいた私たち以外にも相続人にあたる兄弟が2人いるので、ここで開封してしまう事は今後の事を考えた場合不味いなと感じたからです。父の意思を尊重したいと思いつつも、何が書かれているのか多少不安ではありますが、どうやって遺言書の中身を確認するのがいいのか教えて頂けますでしょうか。(沖縄)
A:自筆遺言書は家庭裁判所で検認を行いましょう。封がしてある遺言書を勝手に開封する事は厳禁です。
沖縄相続遺言相談センターまでお問い合わせありがとうございます。
今回ご実家で発見されたお父様の手書きの遺言書ですが、これを「自筆証書遺言」と言います。自筆証書遺言(以下、遺言書)は家庭裁判所での検認の手続きが必要ですので、見つけた方の判断で勝手に開封してはなりません。検認を行うことによって、家庭裁判所においてその遺言書の形状や訂正等、検認の日における内容が明確になります。そして、遺言書の存在や内容を相続人が確認できるため、偽造防止などにもなります。もしも家庭裁判所での検認以前に遺言書を開封してしまった場合、民法では5万円以下の過料に処するという定めがあります。
※但し、2020年7月より自筆証書遺言書の保管を法務局で行う事も可能となりました。法務局で保管していた自筆遺言証書に関しては家庭裁判所における検認は不要となります。
さて、まず検認を行うにあたり、家庭裁判所に提出する戸籍等を集めて遺言書の検認手続きを行います。たとえ申立人以外の相続人が揃わなくても検認手続きは行われます。そして検認が終わったら、検認済証明書が付いた遺言書を元に後続の手続きを進めましょう。検認済証明書が付いた遺言書でないと、遺言書に沿って不動産の名義変更等、その他各種手続きは基本的に行えません。
因みに、遺言書の内容が相続人の中の一部でも遺留分を侵害していれば、該当の相続人は遺留分を取り戻すことが出来ます。
沖縄相続遺言相談センターではご依頼者さまのご希望に沿った遺言書作成のサポートをさせて頂きます。生前の相続対策や、注意点などのご案内を行います。少しでもご不明な点がある場合にはぜひ初回の無料相談をご利用ください。沖縄にお住まいの皆様、沖縄で相続の生前対策や遺言書に関する専門家をお探しの皆さまは、ぜひ沖縄相続遺言相談センターまでお問い合わせください。所員一同、心よりお待ち申し上げております。
2025年04月03日
Q:行政書士の先生、私の死後、財産はすべて内縁の妻に受け取ってほしいのですが、遺言書があれば可能でしょうか?(沖縄)
はじめまして。私は沖縄在住の80代男性です。私は離婚をきっかけに沖縄に移住し、もう30年が過ぎました。今は内縁の妻と沖縄で共に暮らしております。
近頃、病院のお世話になることも増えてきて、そろそろ自身の終活について考えなければならないと感じています。私の希望としては、私の沖縄での生活を側で支えてくれた内縁の妻に私の財産をすべて受け取ってほしいと思っています。ただ、私には前妻との間に1人息子がおります。唯一の血のつながった息子ですので、やはり息子の取り分も残しておくべきなのでしょうか。遺言書を書けば、私の希望通り内縁の妻に財産をすべて受け取ってもらえますか。(沖縄)
A:遺言書を作成すれば相続権のない内縁の奥様に遺贈が可能となりますが、ご子息にも配慮することをおすすめいたします。
ご相談者様が沖縄で同居されている方は内縁の奥様とのことですが、相続では事実婚の配偶者に相続権は認められていません。配偶者として相続人となれるのは、入籍し、法律婚の配偶者となった方です。それゆえ、沖縄のご相談者様が遺言書を作成しなかった場合、ご相談者様の財産を相続するのは、推定相続人であるご子息になると考えられます。
「内縁の奥様に財産を渡したい」という沖縄のご相談者様のご希望を叶えるためには、遺言書を作成する必要があります。遺言書の中で、内縁の奥様に遺贈(遺言書によって財産を相続人以外の人が取得すること)すると記せば、相続権のない人に財産を渡すことが可能となります。
ただし、ここで注意が必要なのが、「遺留分」です。遺留分とは、法定相続人(今回のケースではご子息)が取得できる、法律で守られた一定の割合のことです。
もし、遺言書で「内縁の妻に財産をすべて遺贈する」と記してしまうと、ご子息が取得できるはずの遺留分を侵害してしまいます。遺留分を侵害された法定相続人は、その侵害額に相当する金銭の支払いを請求できることになっています。
場合によっては「遺留分侵害額の請求調停」を申し立てられ、裁判沙汰になる恐れもありますので、遺言書を作成する際は、法定相続人の遺留分を考慮に入れ、ご子息と内縁の奥様双方にとって納得いく遺産分割方針を記すことをおすすめいたします。
なお、遺言書をより確実なものとするため、改ざんや紛失、形式不備による無効を防ぐことのできる「公正証書遺言」にて遺言書を作成するとよいでしょう。また、「遺言執行者」という、遺言書の内容に従い手続きを進める義務権利をもつ人を、あらかじめ遺言書の中で指定しておくと安心です。
相続や遺言書にはさまざまな法的な取り決めがあります。その取り決めに従わずに遺言書を作成してしまうと、最悪の場合、せっかく作成した遺言書が反故にされてしまう恐れがあります。遺言書作成の際は、遺言書について豊富な知識をもつ専門家のアドバイスを受けることをおすすめいたします。
沖縄にお住まいの皆様、沖縄相続遺言相談センターは遺言書に関する知識を豊富に備えております。沖縄の皆様のご意向をしっかりと反映した遺言書作成をお手伝いいたしますので、どうぞお気軽に沖縄相続遺言相談センターの初回無料相談をご利用ください。