相談事例

沖縄の方より相続に関するご相談

2025年10月02日

Q:父の相続手続きで必要な戸籍を行政書士の先生教えていただきたいです。(沖縄)

沖縄に住む父が亡くなりました。私は沖縄から離れた本土に住んでおり、なかなか相続手続きに着手できていないのですが、ひとまず戸籍収集に取り掛かるところです。母は5年前に他界しており、私には兄弟姉妹はいないため、法定相続人は私のみになるかと思います。相続人が私のみの場合、相続手続きを行う上でどの戸籍を取り寄せればよいのでしょうか。また、戸籍の取り寄せ方法についても教えていただきたいです。(沖縄)

A:被相続人の出生から死亡までの戸籍と相続人の現在戸籍を取り寄せることで相続手続きを進められます。

相続手続きで必要な基本的な戸籍は下記になります。

  • 被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本・除籍謄本・改製原戸籍謄本
  • 相続人全員の現在の戸籍謄本

被相続人の出生から死亡までの戸籍を取り寄せることで、お父様の相続における相続人を確認することができます。この戸籍には、被相続人がいつ、誰と誰の間に生まれた子なのか、兄弟はいるのか、結婚はしているか、子供はいるか、いつ亡くなったかということが全て記載されています。被相続人の出生から死亡までの戸籍を確認し、万が一お父様にご相談者様以外の認知している子どもや養子がいた場合には、その方も相続人となるため注意が必要です。戸籍は早めに取り寄せるようにしましょう。

戸籍の取り寄せ方法ですが、2024年3月1日より戸籍法の一部が改正され、戸籍の広域交付が開始されたことにより改正前よりも戸籍収集の手間が軽減されました。これは本籍地以外の市区町村窓口でも戸籍証明書等を請求することができる制度で、一か所の市区町村窓口に請求すれば被相続人の出生から死亡までのすべての戸籍が揃うようになりました。ただし広域交付の制度は誰でも利用できるわけではなく、本人、配偶者、子、父母などであれば利用することができます。兄弟姉妹や代理人は利用できません。ご相談者様はお父様の戸籍収集となるため、広域交付を利用することができます。

全ての戸籍を取り寄せた際、戸籍の種類も様々なので混乱なさる方もいらっしゃると思います。戸籍の収集を終えたあとも多くの相続手続きがあるため、ご自身での進行が難しい場合には専門家に依頼することもできます。

沖縄相続遺言相談センターでは相続の専門家が沖縄の皆様の相続手続きをサポートしております。沖縄で相続手続きに関するお困り事なら、沖縄相続遺言相談センターにお任せください。初回は完全無料でご相談いただけますので、お気軽にお問い合わせください。

デジタル公正証書遺言制度とは?

2025年10月01日

令和7年(2025年)10月1日から、公正証書の作り方に新しい仕組みが加わります。
これまでは紙で作られていた公正証書が、これからは デジタルデータ(電磁的記録)として作成・保管できるようになります。
この記事では、ポイントをやさしくご紹介します。

📑 1. 制度改正の背景

これまでの公正証書は、紙の原本を公証役場で保管し、正本や謄本も紙で受け取るのが基本でした。
社会のデジタル化や、ご高齢の方・遠方の方のご事情に合わせるため、 2025年から「デジタル公正証書」が利用できるようになります。

📑 2. 電子公正証書とは?

✔ これまで(紙の方式)

  • 公証役場で紙の原本を作成・保存
  • ご本人へ紙の謄本を交付

 

✔ これから(デジタル方式)

  • 公正証書は原則電子データで作成・保存します。

 

🖊 電子サインについて(押印は不要)

嘱託人(遺言者など)は電子サインのみでOKです。押印は不要です。
署名は、ペンタブレットやタッチできる画面に手書きするイメージです。

 

📥 公正証書の受取方法は、以下の3つから選べます。

  1. デジタル原本を印刷した書面を受け取る
  2. メール(クラウド経由のダウンロード)で受け取る
  3. USBメモリ等の媒体でデータを受け取る

 

📑 3. リモート方式(オンラインでの作成)

公証人とオンライン会議で手続きを進める方法も使えるようになります。

✔ リモート方式利用の要件等

  • 嘱託人又は代理人によるリモート方式利用の申出があること
  • 嘱託人・代理人のリモート参加について、他の嘱託人に異議がないこと
  • 公証人が嘱託人・代理人のリモート参加を相当と認めること
    ※相当か否かは、リモート参加の必要性・許容性(リモートでの本人確認、真意の確認、判断能力の確認のしやすさ等)を総合的に考慮して判断されます

 

✔ 準備するもの

  • ウェブ会議に参加可能なパソコン(スマートフォン・タブレットは使用できません)
  • 電子サインを行うために必要な機器
  • パソコンで利用可能なメールアドレス
  • 安定したインターネット環境

 

✔ リモート方式による作成手続の流れ

  1. 1.ウェブ会議招待メールからウェブ会議に参加
  2. 2.公証人による映像・音声の確認、本人確認・意思確認
  3. 3.公正証書案文を画面に表示して公証人が読み上げ、列席者が内容確認
  4. 4.公証人から列席者に対し、3の案文を記録したPDFファイルへの電子サインをメールで依頼
  5. 5.4のメールを受信した列席者全員が電子サインを実施・送信
  6. 6.公証人が電子サイン・電子署名

 

📑 4. メリットと注意点

✔ メリット

  • 公証役場まで行かなくても作成できる
  • デジタルデータのため紛失や破損のリスクが少ない
  • 交付がスピーディー

 

✔ 注意点

  • リモート参加の必要性・許容性(リモートでの本人確認、真意の確認、判断能力の確認のしやすさ等)を総合的に考慮して判断してリモートでの作成が可能となります。
  • ※10月1日以降、順次指定される指定公証人の役場でのみ利用可能となります。
  • スマホ・タブレットは利用不可でPCが必要です。※パソコンの動作環境やペンタブレットなど、一般的な家庭では備えていない機材が必要になる場合があります。

 

📑 5. 沖縄での利用について

令和7年10月1日以降、順次指定される指定公証人の役場でのみ利用が可能となるようです。
沖縄県内は12月の8日頃を予定しているようです。

日本公証人連合会の公式ニュースページ公正証書を電磁的記録として作成する公証人の「指定予定日」についてで
改正公証人法第7条の2の「公正証書の作成」に係る「指定予定日」が法務省ホームページに掲載されました。

📑 まとめ

2025年10月から始まる「デジタル公正証書制度」は、相続や遺言の手続きに大きな変化をもたらします。
公正証書をデジタルデータで作成・保管できるようになることで、より安全に、より便利に利用できるようになります。

特に遺言公正証書については、「遠方でもオンラインで作成できる」「体調に不安があっても自宅から手続きできる」といった新しいメリットが生まれます。
紛失や破損のリスクも少なくなり、後々の相続手続きにおいても安心材料となります。

もちろん、制度開始直後は対応できる公証人が限られる、スマートフォンやタブレットでは参加できないといった注意点もあります。
ですが、今後は全国的に広がっていく見込みであり、相続・遺言を考える方にとって利用しやすい制度になることが期待されています。

 

私たち 沖縄相続遺言相談センター では、
制度の最新情報のご案内/機材準備のアドバイス/公証人とのやり取りのサポート を行っています。  

ペンタブ

 

沖縄で制度を活用したい方、また制度内容について詳しく知りたい方は、ぜひお気軽にご相談ください。
初回相談は無料、LINEからも簡単にご予約いただけます。

新しい制度を上手に活用し、大切なご家族の未来を安心して託せる準備を一緒に進めていきましょう。

QAB「Qごろ~ずカフェ」相続相談室9月5日 お母さまの預金は亡くなる前に引き出していいの?

2025年09月05日

9月5日(金)、琉球朝日放送(Qごろーずカフェ)内の人気コーナー
Qごろーずカフェ 相続相談室 に出演いたしました。

このコーナーでは、視聴者のみなさまから寄せられた「相続」や「遺言」に関するお悩みに、
沖縄相続遺言相談センター 所長で行政書士の 西山貴子 が、わかりやすくお答えしています。

📝 今回のご相談
母の預金についての相談です。
父はすでに亡くなり、子どもは私と兄の2人です。
兄とは10年以上音信不通です。
母は現在、老人ホームに入っています。

先日、施設の方から「亡くなったら銀行口座が凍結されるから、お母さんが亡くなったらすぐATMでお金をおろしておいたほうがいい」と言われました。
本当に大丈夫でしょうか?



📝番組でお伝えしたポイント
1.亡くなった後の預金は相続人全員の共有財産
✅ 遺言書があればその内容に従い、なければ相続人全員で協議して銀行で相続手続きが必要です。

2.無断で引き出すと不当利得になるおそれ
✅ 相続人に無断で預金を引き出すと「不当利得(もらうべきでないお金)」とされ、返還請求される可能性があります。

3.葬儀費用が必要な場合の制度もある
✅ 一定額まで葬儀費用等の払戻しを受けられる制度もあるため、事前に確認を。

今回の放送では、
「亡くなった後に口座からお金をおろすのは危険」
という大切なポイントを中心にお話しました。

相続や生前対策は、民法・税法・金融実務など複数の制度が関わる複雑な分野です。
ご自身で判断される前に、ぜひ専門家にご相談ください📣

📞 沖縄相続遺言相談センター 無料相談予約
通話料無料:0800-777-3039(ソウゾク)

沖縄の方より相続についてのご相談

2025年09月02日

Q:相続手続きの完了までどのくらいかかるのか、行政書士の先生にお伺いしたいです(沖縄)

沖縄の実家で一人暮らしをしていた父が亡くなり、相続の準備を進めています。相続財産としては、沖縄の実家のほか預金と少額の現金があるようです。
私は沖縄県外に住んでおりますので、限られた帰省のタイミングで可能な限り手続きを進めたいと考えています。
こうした場合、相続に関するすべての手続きが完了するまで、一般的にはどのくらいの期間が必要になるのでしょうか。行政書士の先生教えてください。(沖縄)

A:相続手続きの期間は、財産の内容によって異なります。

沖縄相続遺言相談センターへのお問い合わせありがとうございます。
相続の対象となる財産は大きく分けて、現金・預金・株式などの「金融資産」と、住宅や土地などの「不動産」があります。今回は、この2つのケースについてご説明します。

1. 金融資産の相続手続き

預金口座や株式などの名義を、被相続人(亡くなられた方)から相続人へ変更するか、解約して分配する流れになります。
必要書類は、戸籍謄本一式、遺産分割協議書、印鑑登録証明書、各金融機関の相続届などでこれをそろえて提出することになります。
金融機関ごとに多少の違いはありますが、書類の準備から完了までは一般的に約2か月弱かかります。

2. 不動産の相続手続き

不動産の名義を亡くなられた方(被相続人)から相続人へ変更します。
必要書類は、戸籍謄本一式、被相続人の住民票除票、相続人の住民票、遺産分割協議書、印鑑登録証明書、固定資産税評価証明書などで、これらを揃えて申請を行います。
法務局での申請を経て、こちらも約2か月弱が期間の目安となります。
なお、自筆の遺言書がある場合や、行方不明の相続人・未成年の相続人がいる場合などは、家庭裁判所での手続きが加わるため、さらにお手続きの期間が延びる可能性があります。
沖縄にご実家がある方や、沖縄でご家族を亡くされた方は、ぜひ 沖縄相続遺言相談センター にご相談ください。地域に根ざした丁寧な対応で、初回無料相談からお手続き完了までしっかりサポートいたします。

沖縄の方より遺言書に関するご相談

2025年08月04日

Q:遺された家族のために遺言書を作成しようと思っているので、行政書士の先生から助言を頂きたい。(沖縄)

遺言書や相続に関してほとんど知識がない沖縄在住の60代です。まだ自分は若いと思っていましたが、最近、元気だった沖縄の友人が急に亡くなり、その家族が遺言書がなかったために相続で揉めていると聞いてショックを受けました。私は預貯金の財産は多くないものの、私の両親から引き継いだ沖縄の不動産が複数ありますし、自身が急な不幸に見舞われないとも限らないので、遺された家族のためにも今から遺言書を用意しておこうと決意しました。せっかく用意するのであればちゃんとした遺言書を作成したいと考えています。遺された家族が円満に過ごせるような適切な遺言書の作成に対するアドバイスをお願いします。(沖縄)

A:ご相談者さまの希望に沿う遺言書を、お元気な今だからこそ作成いたしましょう。

相続において法定相続分の定めがあるものの、遺言書がある場合にはその内容が優先されます。つまり遺言書を用意しておけば被相続人にあたる自身の遺産の分割内容について、自分で決める事が可能になる訳です。

ご相談者様の相続財産は不動産が大部分とのお話ですが、その場合、危惧されている様にトラブルにつながる色々なケースが考えられます。その点、遺言書で分割内容が決められている場合には、相続人同士で分割内容を話し合う遺産分割協議を行う必要がなく、遺言書の内容に従いスムーズに相続手続きを行う事になるので、トラブルには繋がりにくくなります。そうした考えから、まだお元気でいらっしゃる今のうちから、ご自身の希望に沿うような遺言書を予め用意しておく事をお勧めいたします。

遺言書の基礎な知識のお話しとなりますが、遺言書(普通方式)には以下の3種類があります。

1.自筆証書遺言

2.公正証書遺言

3.秘密証書遺言

「1.自筆証書遺言」は遺言者が自筆にて作成できるため、費用も掛からず手軽なため選ばれる方が多い一方、遺言の方式を守らないとせっかく用意した遺言書でも無効となります。開封時には家庭裁判所での検認も必要となります。財産目録については本人以外の者がパソコンで作成したり、通帳のコピー等を添付することも可能です。但し、2020年から自筆証書遺言書の保管を法務局で行う事が可能となり、法務局で保管していた自筆遺言証書に関しては家庭裁判所での検認手続きは不要となります。

「2.公正証書遺言」は公証役場の公証人が作成します。原本は公証役場に保管されるため偽造や紛失の心配がないので、その点においてはおすすめの遺言書といえますが、用意するためには費用負担が発生します。しかし公証人が作成するため方式についての不備がなく、以上の事から確実で安心な遺言書と言えます。

「3.秘密証書遺言」遺言者が自分で遺言書を作成し、その遺言書の存在を公証人が証明する方法です。この遺言書は封をして提出をするため本人以外に遺言内容を秘密にして作成することが出来ますが、その結果、方式が不備で無効となる危険性もあるため実際にはあまり用いられていません。

より確実に遺言書を残したいという場合は「2.公正証書遺言」の作成をお勧めします。法的効力はないものの、ご相談者様の遺言書作成に至ったお気持ちやご家族への思いなどを書くこともできる「付言事項」の記載も加えられます。

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